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下川の森の歴史と現状

しもかわの森の歴史

森づくりの始まり

しもかわの森の歴史の始まりは、明治34年(1901年)の入植といわれております。この当時より、しもかわにおける産業の中心は林業であり、、特に一の橋地区での林業が中心でありました。つまり、しもかわの歴史の始まりは、森の歴史の始まりでもあります。
当時の木材流通手段は、現在のように自動車ではなく、川を利用しての流送でした。したがって、林業の労働生産性は、現在と比べると高くありませんでした。しかし、大正9年(1919年)に名寄~下川間鉄道が開通し、木材輸送の効率化が改善され、林業経済の発展に大きく寄与しました。
大正12年(1923年)に、世にも有名な関東大震災が発生し、その結果、しもかわの森に対する復興材需要が急増し、しもかわから大量の復興材が移出され、しもかわは大いに賑わいました。そして、翌年の大正13年(1924年)になると、名寄町から分村し、「下川村」が誕生し、しもかわ独立の歴史がいよいよ始まりました。ちなみにこの当時の人口は3,684人です。

しもかわの発展と衰退

関東大震災の後、復興材輸送の増加に伴い、昭和6年(1931年)一の橋地区に、森林鉄道が敷設されました。このことにより、木材輸送のさらなる効率化が実現され、林業がより活性化し、大きく飛躍しました。同年には、名寄に乗合自動車会社が設立され、名寄~下川間にバスが開通し、住民の交通手段として活躍しました。
太平洋戦争も終わり、戦争の混乱も落ち着いてきた頃、しもかわは、最盛期を迎えます。昭和22年(1947年)の地方自治法に基づき、昭和24年(1949年)に町制施行となり、「下川町」がついに誕生しました。
戦争中閉山していたサンル金山も事業が再開、下川高等学校の独立、公営住宅の建設、森林鉄道からトラック輸送への移行など、インフラストラクチャーの整備、さらに日本経済全体の高度成長期も相まって、しもかわの人口は15,555人(昭和35年)となり、最大人口を記録し、森を中心として栄えました。
昭和29年(1954年)に台風15号(洞爺丸台風)が北海道を襲い、しもかわも山全体に風倒木の被害が広がりました。この風倒木被害は、現在の年伐量の30年に及ぶというから、凄まじく大きな被害です。しかし、膨大な被害を被った一方で、地元産業界は、風倒木景気で大いに賑わいました。急激な伐採量の増加は、天然林からの持続的な収穫の維持が困難なことや、風倒木被害が大きかったことにより、一斉に植林が始まりました。
以上のように、しもかわは、当時の豊富な資源と、上昇する木材需要を軸とした、森を中心に据えた発展を成し遂げ、木材加工場も20を数え、木材の町として繁栄しました。
しかし、その繁栄期も永くは続きませんでした。森林資源自体の減少や、変動相場導入による円高の影響、違法伐が含まれているといわれている、海外からの価格競争力の強い輸入木材の氾濫が主因となり、林業全体が衰退してしまう。そして、しもかわの木材加工場も全盛期の半数とまで落ち込んでしまい、就業機会を求め、都心部への人口流出が発生しました。
また、同時に、しもかわの他の中心産業である農業。鉱業も同様に衰退し、さらに営林署の統廃合、JRの廃線といったことで離職者が増加しました。そのために、域外への人口流出が繰り返され、平成12年国勢調査では、4,413人にまで人口が減少、ピーク時の28%になってしまいました。
このように、過疎化という現実に直面しながらも、しもかわは、4,000haを超える超有林を取得し、約60年サイクルで毎年40~50haの植林と伐採を繰り返す、持続可能な森林資源の管理と利用に取り組んでいます。



しもかわにおける現在の森林の姿

しもかわの森の現状

前章で、しもかわの歴史と森の歴史の両方をみました。ここでは、現在の森の姿を、数種のデータを使って、近郊市町村との比較分析を中心にみていきます。
まず、現在の下川の森林に関する土地利用をみます。しもかわの土地面積のうち、約87%を林野が占めています。また、林野面積の国有林と、民有林別でみると、国有林が約86%民有林が14%で、しもかわの森林の大部分が国有林で占められていることがわかります。
しもかわでは、平成14年度に国有林と連携して森林管理する「森林特区」の設定を北海道に働きかけるなど、地域における森林の一体的な管理・経営を目指しています。特に、森林は時間の経過により、価値が上昇する資源です。したがって適切な管理を前提とした長期的視点によるまちづくりでは、森林を基盤にするこては理にかなっています。
次に、しもかわの製造業から林業をみます。製造品出荷に対する木材製品率では、89.7%(約30億円)と圧倒的です。したがって、産業図は、第一次産業、第二次産業とも、林業関係が占めています。つまり、しもかわでは、林業が基幹産業であり、さらに、雇用の中心でもあります。



このページは『地域学「しもかわ学会」ブックレットVol.2』より引用しました。